酵素多型を用いた遺伝的分化の解析

    ヒメカンスゲのゲル写真
   
 スゲ属植物の特定の分類群について酵素多型の分析を行っている。ヒメカンスゲは2n=32,33,34,36,37,38の連続した種内異数体があり、それぞれ特定の分布域を持っている。種内異数体の出現過程を酵素多型を用いて解析する。また、ホンモンジスゲ類はスゲ属の中でも近縁なグループで、種間の類縁関係を酵素多型を用いて明らかにする。ヒカゲスゲにはスゲ属で珍しい倍数性があり、倍数性と酵素多型の遺伝的分化について調べている。



DNA多型を用いた分子系統学的研究


 DNA多型分析は上位の分類群の系統解析に適している。カヤツリグサ科の属間の系統の比較やイグサ科やイネ科などの近縁な科の系統関係について、葉緑体DNA、rDNAの一部の遺伝子をPCR法で増幅し、塩基配列を比較する分子系統学的研究を行っている。
核リボソーム遺伝子のITS領域を用いたスゲ属植物の分子系統図