ヒトモトススキ(シシキリガヤ)
Cladium jamaicense Crantz subsp. chinense (Nees) T. Koyama
【国内分布】本州 (茨城県以西、新潟県)、四国、九州、琉球。【国外分布】朝鮮南部、台湾、中国南部、マレーシア、オーストラリア。
【同定のカギ】海岸に生える大形の多年草で、叢生し、大株となる。有花茎は、高さ100−200 cm、硬く、横断面は円形−鈍3稜形で平滑、多くの葉をつける。葉は、幅8−10 mm、硬くて厚く、中肋と縁に鋸歯がありざらつく。花序は、密に小穂をつける分花序からなる。小穂は、長楕円形−卵形、褐色、鱗片が約10個つく。鱗片は、鋭頭、茶褐色。痩果は、長さ2.5 mm、黄褐色。柱頭は、3岐。
【ノート】ヒトモトススキは海岸に生育し、有花茎が200 cmに達する大型の植物で、葉が硬く著しくざらつくことで区別される。シシキリガヤの由来は「猪切茅」で、葉のざらつきが強く小刺があってイノシシも切れるという意味。

岡山県備前市佐山 2008年9月13日 葉は、硬くて厚く、中肋と縁に鋸歯がありざらつく

花序は、小穂を密につける             小穂は褐色


小穂の鱗片は鋭頭で褐色             果胞は外花被が海綿状

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