アゼナルコ Carex dimorpholepis Steud.
【同定のカギ】湿地や河川敷などに普通に生える多年草で、密に叢生し、大株となり、太い根を持つ。基部の鞘は褐色−淡色、わずかに細裂して糸網を生じることがある。頂小穂は雌雄性で根元に雄花がある。小穂の柄は長く下垂する。雌鱗片は大部分半透明または上端は帯褐色となり、長い芒がある。果胞は雌鱗片より長く、無脈、褐色の小斑点を持つ、乳頭状突起を密布し、嘴は短く、口部は切形。柱頭は2岐。【国内分布】本州、四国、九州、対馬、南西諸島。【国外分布】朝鮮、中国、インドシナ。 【ノート】大型のスゲで、小穂がやや長く下垂する。アズマナルコとは、雄鱗片に長い芒があり、茎の基部が円柱状に肥大しないことで区別できる。ツクシナルコとは、雌鱗片の先が凸頭で果胞が無脈であることで区別できる。河川敷の改修後、最初に侵入する植物のうちのひとつであり、一面を覆うのが見られる。
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