イトスゲ
Carex fernaldiana H.Lev. et Vaniot
【国内分布】北海道、本州、四国、九州。【国外分布】朝鮮、台湾。
【同定のカギ】林床に生える多年生で、群生し、短い匐枝を伸ばす。葉は幅が0.3−1 mmと細い。雄小穂と雌小穂は細く線柱状である。果胞は、雌鱗片より長く、無毛、上部はやや急に狭まりやや短嘴となり、嘴の縁はややざらつく、口部は2小歯。痩果は頂部に盤状付属体を持つ。柱頭は3岐。
【ノート】イトスゲおよびハコネイトスゲは、葉幅が他の分類群に比して1 mm以下で特に狭く果胞の数が少ないことで区別される。分布は日本のほぼ全域に生育するが、個体変異がある。近畿地方以西の中国、四国、九州地方には、葉が特に細い、幅が0.3−0.5 mm のタイプが多い。葉が内巻きまたは2つ折れしているものが見られるが、ここではイトスゲの変異に含めた。

イトスゲ 広島県猿鳴峡 1978年2月24日


イトスゲ 奈良県吉野郡大台ヶ原 2005年5月16日


イトスゲ 広島県山野峡 2010年5月9日


イトスゲ 花序、前葉の葉身


果胞                 痩果

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