イトスゲ
【同定のカギ】林床に生える多年生で、群生し、短い匐枝を伸ばす。葉は幅が0.3−1 mmと細い。雄小穂と雌小穂は細く線柱状である。果胞は、雌鱗片より長く、無毛、上部はやや急に狭まりやや短嘴となり、嘴の縁はややざらつく、口部は2小歯。痩果は頂部に盤状付属体を持つ。柱頭は3岐。Carex fernaldiana H.Lev. et Vaniot 【国内分布】北海道、本州、四国、九州。【国外分布】朝鮮、台湾。 【ノート】イトスゲおよびハコネイトスゲは、葉幅が他の分類群に比して1 mm以下で特に狭く果胞の数が少ないことで区別される。分布は日本のほぼ全域に生育するが、個体変異がある。近畿地方以西の中国、四国、九州地方には、葉が特に細い、幅が0.3−0.5 mm のタイプが多い。葉が内巻きまたは2つ折れしているものが見られるが、ここではイトスゲの変異に含めた。
イトスゲ 広島県山野峡 2010年5月9日 イトスゲ 花序、前葉の葉身 果胞 痩果 |