オオムギスゲ
Carex laticeps C.B.Clarke ex Franch.

【国内分布】本州(愛知県、瀬戸内海沿岸)、小豆島。【国外分布】朝鮮、中国。
【同定のカギ】日当たりの良い路傍や林縁に生える多年草で、全体に軟毛があり、匐枝は短く、根茎は太い。有花茎と葉は、軟毛を疎布。基部の鞘は、黄白色で繊維状に細裂。雌鱗片は、蒼白色、軟毛を疎布し、鋭頭または短芒。果胞は、雌鱗片より長く、熟すと開出し、稜間に多数の脈があり、有毛、上部は急に狭まり長い嘴となり、口部は深く切れ込み2歯となる。痩果は、密に果胞に包まれ、稜中央部はくびれ、頂部に湾曲した柱状付属体がある。柱頭は3岐。
【ノート】果胞が大きくアオバスゲやアオヒエスゲに似るが、小穂が長く全体に毛を粗布し花柱の基部が曲がることで容易に区別できる。別名チュウゴクスゲと呼ばれ、瀬戸内沿岸の日当たりの良いやや乾燥した場所に稀に見られる。オオムギスゲの和名の由来は、小穂が麦に似ていることによる。

オオムギスゲ 岡山県里庄町
 

オオムギスゲ 花序                雌小穂


オオムギスゲ 基部の鞘、黄白色


果胞と鱗片       果胞、軟毛を密布     痩果、中央はくびれ、花柱は湾曲

プレビュー付き和名検索へ 和名検索へ 学名検索へ 図鑑Topへ