ベニイトスゲ
Carex alterniflora Ohwi var. rubrovaginata J.Oda et Nagam. 【国内分布】本州(近畿地方以西)、四国、九州。日本固有。
【同定のカギ】林床や路傍に生える多年草でまばらに叢生し、匐枝を持つ。基部の鞘は、赤紫色〜紫色。雄小穂は、線形で長い柄がある。鱗片は、赤紫色から紫色。果胞は、雌鱗片より長く、稜間に5−6脈があり、平滑、口部は2小歯、縁は細鋸歯。柱頭は3岐。
【ノート】ベニイトスゲは基部の鞘や鱗片が鮮やかな赤紫色であることで区別され、本州から九州に分布する。従来、ベニイトスゲの学名は、 C. sikokiana Franch. et Sav.を使用していた。パリ自然史博物館に所蔵されている C. sikokiana Franch. et Sav.のタイプ標本は、ツルミヤマカンスゲと同一であった。従って、ツルミヤマカンスゲは C. sikokiana Franch. et Sav.に変更され、ベニイトスゲはC. alterniflora Ohwi var. rubrovaginata J.Oda et Nagam.となった。
ベニイトスゲ 大阪府南河内郡金剛山 2005年5月15日 |
ベニイトスゲ 愛媛県松山市三坂峠 2006年4月25日 |
雄小穂、鱗片は赤紫色 雌小穂、鱗片の色が薄いものもある |
果胞と鱗片 果胞は鱗片より長い 果胞、口部の縁は鋸状 |
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