キビノミノボロスゲ
Carex paxii Kuk.
【国内分布】岡山県岡山市吉備津彦神社。【国外分布】朝鮮、中国。
【同定のカギ】開けた草地に生える多年草で叢生し、大株となる。有花茎は平滑。果胞は、雌鱗片よりやや長く無毛、やや長嘴、口部は2小歯、赤い瘤状突起が上部にいくつか見られ、両側は狭い翼があり細鋸歯縁、基部は海綿状に肥厚。柱頭は2岐。
【ノート】キビノミノボロスゲは、果胞の上部に赤みがかった瘤状の突起物があることでミノボロスゲの仲間と区別できる。主に中国大陸や朝鮮に広く分布しており、日本では岡山県南部の神社の境内でのみ見られ、神社の禊用に持ち込まれたと考えられる。和名は、中国地方東部の古名である吉備にちなむ。

キビノミノボロスゲ 岡山市一宮 吉備津彦神社 1977年5月28日


キビノミノボロスゲ 岡山市一宮、吉備津彦神社 自生地の保護 2012年6月10日


花序


花序                    果胞と鱗片


果胞の背面上部の瘤状突起、SEM像


果胞、背面          果胞の口部、瘤状突起       果胞、側面


果胞と痩果             痩果             痩果、側面

プレビュー付き和名検索へ 和名検索へ 学名検索へ 図鑑Topへ