コカンスゲ
Carex reinii Franch. et Sav.
【国内分布】:本州、四国、九州。日本固有。
【同定のカギ】山地の林床や林縁に生える多年草で、匐枝を横走しやや硬い。葉は硬く、縁は著しくざらつく。小穂は、雄雌性で上部の半分以上は雄花、雌花は離れて付く。果胞は、雌鱗片より長く、外曲し稜間に8−10脈があり、疎に短毛があり、上部はしだいに狭まり長嘴となり、開出する。痩果の基部には柄があり、頂部に小型の盤状付属体がある。柱頭は3岐。
【ノート】コカンスゲは側小穂が雄雌性であり、常に横走する匐枝を持つことで、林床に生育するヒメカンスゲや近縁種と容易に区別できる。また、葉縁が手を切るぐらい著しくざらつくことでも区別される。匐枝で栄養繁殖することから林床一面に生育するのがよく見られる。また、日の余り当たらない林床では花茎が大変少ないが、林縁の日向では花茎が多く立ち上がる。

コカンスゲ 葉は硬く、縁は著しくざらつく。 岡山県備中町 2002年5月6日


コカンスゲ 花序、雄雌性で雄花部が長い


コカンスゲ、山の斜面に群生する。          花序


コカンスゲ 花序             雌小穂、果胞は完熟すると開出


果胞と鱗片              果胞          果胞

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