ミヤマカンスゲ
Carex multifolia Ohwi
【国内分布】北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島(利島)。日本固有。
【同定のカギ】山地の林床や林縁に多い多年草で、叢生し、匐枝はない。基部の鞘は、光沢があり紫褐色。頂小穂は細く線柱形、雌小穂は果胞を疎らに付ける。鱗片は淡褐色。果胞は、雌鱗片より長く、稜間に7−9脈があり、疎らに短毛があり、上部は急に狭まってやや長い嘴となり、口部は凹形。柱頭は3岐。
【ノート】ミヤマカンスゲは、小穂や有花茎は細い。基部の鞘は、赤みがかった鮮やかな紫色で、ほとんど細裂しないことでダイセンスゲと区別できる。また、オクノカンスゲやカンスゲとは葉が柔らかく、小穂が細く、基部の鞘の赤身が強いことで区別できる。山地に普通に見られ、大株となり、前年の枯れた葉は白くなりあまり細裂しない。

ミヤマカンスゲ 小穂は細く線形 岡山県岡山市北区掛畑 2008年5月22日


ミヤマカンスゲ 花序 鱗片は淡褐色


ミヤマカンスゲ スキャナー像


ミヤマカンスゲ 基部の鞘は、光沢があり紫褐色


雌小穂 果胞は鱗片より長い、雌鱗片は淡褐色


果胞と鱗片                  果胞は、疎らに短毛


果胞と痩果           痩果、頂部に小型の盤状付属体

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