ノスゲ
Carex tashiroana Ohwi
【国内分布】本州(広島県、山口県)。日本固有。
【同定のカギ】山道脇の斜面や森縁に生える多年草、密に叢生し、匐枝はない。基部の鞘は、褐色、繊維状に細裂。頂生する雄小穂は、線形で緑白色。雌小穂は、淡褐色で花は少ない。果胞は、雌鱗片より長く稜間に4−5脈があり、疎らに毛が生え、上部は急に狭まり短嘴、口部は2小歯。痩果の断面は3稜形。柱頭は3岐。
【ノート】ノスゲは、アリマイトスゲと同様に、ホンモンジスゲ類では果胞が小型である。叢生し匐枝がなく、果胞の嘴が短く外曲する。アリマイトスゲとは匐枝を持たないことで区別できる。大井 (1936) はツルナシオオイトスゲとアオスゲの雑種の可能性があることを指摘していたが、星野ほか (1994) は染色体の解析を行い、雑種の可能性が低いことを明らかにした。

ノスゲ 山道の斜面に群生 広島県福山市猿鳴峡 2007年5月13日


ノスゲ 広島県大竹市弥栄前板谷 2008年5月11日


花序 頂生する雄小穂は線形


花序 雌小穂は疎らに花を付ける


スキャナー像               基部の鞘 褐色で繊維状に細裂


雌小穂 疎花、雌鱗片は淡褐色         果胞は鱗片より長い


果胞と鱗片          果胞の口部は2小歯     果胞は疎らに毛がある






果胞            痩果、頂部に盤状付属体      痩果、3稜形

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