ノスゲ
【同定のカギ】山道脇の斜面や森縁に生える多年草、密に叢生し、匐枝はない。基部の鞘は、褐色、繊維状に細裂。頂生する雄小穂は、線形で緑白色。雌小穂は、淡褐色で花は少ない。果胞は、雌鱗片より長く稜間に4−5脈があり、疎らに毛が生え、上部は急に狭まり短嘴、口部は2小歯。痩果の断面は3稜形。柱頭は3岐。Carex tashiroana Ohwi 【国内分布】本州(広島県、山口県)。日本固有。 【ノート】ノスゲは、アリマイトスゲと同様に、ホンモンジスゲ類では果胞が小型である。叢生し匐枝がなく、果胞の嘴が短く外曲する。アリマイトスゲとは匐枝を持たないことで区別できる。大井 (1936) はツルナシオオイトスゲとアオスゲの雑種の可能性があることを指摘していたが、星野ほか (1994) は染色体の解析を行い、雑種の可能性が低いことを明らかにした。
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