トマリスゲ(ホロムイスゲ)
Carex middendorffii F.Schmidt
【国内分布】北海道、本州(中部以北)。【国外分布】千島、サハリン、カムチャツカ、ウスリー。
【同定のカギ】高層湿原や湿地に生える多年草で、密に叢生し、根茎は斜上する。湿原の谷地坊主を形成するのが見られる。有花茎は高さ70cmに達することがあり、鋭3稜形で硬質。基部の鞘は淡褐色で糸網がある。頂部の1〜3個の小穂は雄花、雌小穂は柄が長く下垂し、上部に雄花を付けることが多い。果胞は、雌鱗片と同長または長く、稜間に4−6脈があり、厚膜質、乳頭状突起を密布する。嘴は短く、両縁に鋸歯があり、口部は切形で上部は赤紫色。柱頭は2岐。
【ノート】トマリスゲは、シュミットスゲやキリガミネスゲに似るが、果胞が大きく長さ4.6−4.8 mm、雌小穂は長い柄を持ち下垂する。ヤラメスゲとは、横走する根茎がなく、植物体および小穂が小型で雌鱗片が果胞と同長または短い。

トマリスゲ 湿原の草本で比較的草丈が長い 北海道根室市根室市落石湿原 2008年7月4日


トマリスゲ 花序 雌小穂の先端に雄花をつける


トマリスゲ 苞の葉身は葉状


花序 雌鱗片は果胞とほぼ同長、暗褐色


基部の鞘、淡褐色                     花序、雌小穂は下垂


雌小穂、鱗片は果胞とほぼ同長        果胞の口部は赤紫色となる


果胞と鱗片         果胞、乳頭状突起を密布   痩果、花柱の基部が残る


果胞は嘴が短く、両縁は鋸歯 痩果、花柱の基部が残存

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