ヤワラスゲ 
Carex transversa Boott 

【国内分布】北海道、本州、四国、九州、対馬。【国外分布】朝鮮、中国。
【同定のカギ】平地から低山地の林縁の湿った草地に生え、密に叢生する。有花茎は平滑で柔らかい。葉は、軟質。保養の葉身は、葉状で長い。雌小穂は、上部のものは無柄、下部は有柄。雌鱗片は、鮮緑色で鋸歯のある長い芒を持つ。果胞は、雌鱗片より長く、稜間に多数脈があり、無毛、長嘴、口部は斜切形、完熟すると開出する。乾燥すると黒色に変色する。柱頭は3岐。
【ノート】ヤワラスゲは、河川敷や湿地に大株となり群落を形成しているのが見られる。特に、休耕田後の湿地や湿地の植生が攪乱された後に優占する植物の一つである。ヤワラスゲは、雌小穂の大きさや長さに変異があるが、果胞や雌鱗片の形態が分類の決め手となる。果胞の嘴が短いアワボスゲや、雌鱗片が短いベンケイヤワラスゲが近縁な分類群である。

ヤワラスゲ 密に叢生し、植物体は柔らかい 佐賀県黒髪山 2008年5月4日


ヤワラスゲ 苞葉の葉身は、葉状で長い


ヤワラスゲ 線形の雄小穂を頂生、雌小穂は、上部のものは無柄、下部は短い柄がある


花序                   雌小穂、鱗片の芒は大変長い


果胞は、多数脈がある、無毛、乾燥すると黒色に変色


果胞は、嘴が長く、口部は斜切形で完熟すると開出する

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