星野研究室(植物系統進化学研究室) 2012年6月6日 星野研究室では、カヤツリグサ科植物を材料として今まで研究を進めてきた。カヤツリグサ科には、分類の再検討の余地がある種が多く、分類学者により種の取り扱いがまちまちで、統一した見解はない。日本で500種以上が記載されている。スゲ属は250種前後で種子植物の中で最も属内の種数が多い。詳細な形態の比較や分布、分子系統を明らかにし、分類体系を再検討している。 また、カヤツリグサ科以外の種子植物の地理的分布や特定の遺伝子を解析し、それぞれの種がどのように分布を拡大して現在に至っているかを調べる。特に、日本と韓国に隔離分布する種に焦点を当て、それらの分布の起源を明らかにする。 さらに、絶滅が危惧されている種の生育環境や系統を解析し、絶滅危惧種の保護・保全のための方策を提案する。 T.研究テーマ 1.絶滅危惧種の保護・保全に関する研究 (1)絶滅危惧種アッケシソウの保護・保全 (2)絶滅危惧種キビノミノボロスゲの系統解析と保全 2.スゲ属植物の系統地理学的研究 (1)韓国と日本に隔離分布するスゲ属植物の系統地理 アキイトスゲ、オオムギスゲ、クロヒナスゲ (2)絶滅危惧種の系統地理 ダイセンアシボソスゲおよびクロボスゲ節 タイワンスゲ、サワヒメスゲ、ミヤマイワスゲ 3.アリによるスゲ属植物の種子散布 4.スゲ属植物によるエコトーンの創出 5.岡山県産スゲ属植物の検索図鑑の作成 過去の修士論文、卒業論文タイトル一覧 U.こんな学生募集 星野研では、春と秋に植物採集や減数分裂観察用の葯を固定に野外に出かけます。野外から持ち帰った植物は乾燥標本にしたり、温室や人工湿地に植えます。室内では植物からDNAを抽出し塩基配列を解析したり、染色体を分析します。このような植物系統分類や、染色体および遺伝子の分析に興味がある学生を希望します。 カヤツリグサ科植物を中心とした標本の整理やデータベースの作成も定期的に行なっています。また、温室や人工湿地の管理もしていて共同作業に積極的に参加していただきます。 V.ゼミの予定 実験は、就職活動、受験などの忙しい時期は別として、基本的に月曜日から金曜日まで毎日行ないます。研究室のゼミは週1回です。全員が順番で研究の途中経過について発表します。 戻る |