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スゲ属植物の異数性 スゲ属植物では異数性の出現頻度が高い。倍数性は数種類しか観察されていないが、異数性はほとんどの種で見られる。 異数性には種間異数性と種内異数性の2種類がある。スゲ属植物で最も少ない染色体数はタガネソウの仲間で2n=12であり、最高は2n=120以上まで連続している種間異数性が見られる。 種内異数性も多くの種で観察される。一つの集団内で連続した染色体数が見られるものがある。例えばショウジョウスゲは10m四方の集団で連続した異数性が見られる。また、集団内では異数性は見られないが、集団間で染色体数の異なるものもある。例えば、ヒメスゲは北海道と東北地方は2n=18で、中部、中国地方は2n=20、四国九州地方は2n=24と異数性に地理的なクラインがある。ヒメカンスゲやタシロスゲにも同様な種内異数性が見られる。 これらの異数性の成因としては、染色体が分散型の動原体を持っているために染色体の断片化が生じてもそれぞれの断片は生き残り、染色体数が数本増加すると推定されている。実際に2n=12から染色体数が増加数するに従い、染色体の大きさは小型化する傾向が見られる。最も多い染色体数2n=120は2n=12に比べて、1本あたりの染色体の大きさは10分の1以下であり、極端に短くなる。染色体数が10倍に増加しても、全DNA量は逆に減少する傾向がある。このことからも染色体数の増加は、染色体の重複によるものでなく、構造変異が関係していることが考えられる。 減数分裂中期染色体の対合分析では、種内異数性が多く見られる種ではV価染色体の出現頻度が高く、しかもV価は異型対合している。このことからも、異数性の成因は染色体が数本重複するのではなく、切断などの構造変異によるものと考えられる。 このような特徴を持つ染色体の減数分裂における対合パターンの解析や、FISH法による遺伝子のマッピングを行い、種が分化する過程で異数性がどのような役割を果たしたかを研究している。 |